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認知症の人が見る景色

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2022年3月22日(火)

中村重信広島大学名誉教授と梶川博医療法人翠清会会長の共同著書「認知症の人が見る景色」~正しい理解と寄り添う介護のために~ を読みました。

中村重信広島大学名誉教授は2006年から2008年にかけて認知症患者に行われたANM176の効果を確認する臨床試験の結果を発表された先生です。

2004年に日本で開催された「国際アルツハイマー病協会国際会議」では組織委員長を長谷川式認知症スケールを考案され昨年お亡くなりになった長谷川和夫先生、副委員長を中村重信先生が務められました。

そして2017年に再び日本で「国際アルツハイマー病協会国際会議」が開催されたときには中村重信先生が組織委員長を務められました。

一般社団法人 認知症予防・改善推進会の「ANM176利用者アフターサービス」にもご協力いただいております。

また、公益社団法人 認知症の人と家族の会の顧問でもあり、長年にわたり認知症患者さんに寄り添ってきた先生です。

「我慢できないほどの介護が必要な期間はそんなに長くはありません。

認知症は時期により変わりますから介護もその時に合わせることです。

大変な認知症の人がいるのではなく、大変な時期があるだけなのです。」

は、以前から先生がおっしゃられている言葉で、その優しさと穏やかさが感じられる本となっています。

本の中に「勝手時計」という言葉がでてきます。

「勝手時計」とは、自己のリズムに基づく時計で造語です。

認知症の人にとっては時間が早く過ぎていくことが証明されているそうです。

神経細胞も新陳代謝をし、古いタンパクは働きが悪くなり、新しく変わります。

古いタンパクはオートファジーにより壊されます。(ANM176のフェルラ酸はオートファジーを誘導します)

認知症の人では古いタンパクが壊れにくくなり、新しいタンパクも作りにくいので新陳代謝は遅くなります。

新陳代謝が早ければ勝手時間は遅くなり、新陳代謝の遅い認知症の人は時を早く感じるそうです。

その勝手時間ですが、認知症の人は周りの人と時間が違ってきます。

ですが、できるだけ介護者の時間間隔を押し付けないように配慮することも大切だそうです。

「忙しい日常生活に加え介護をするということは大変なことですが、だからといって認知症の人の思いを顧みなくてよいわけではないでしょう。」とあります。

少しでも認知症の人の世界を理解して、認知症の人の思いに沿った介護ができれば、それが寄り添う介護なのだと改めて思いました。

 

 

 

写真 株式会社エイワイシー顧問 高梨雅行  メジロ

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