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2019年9月03日(火)
「寝たきり患者では抗認知症薬中止の検討を」という日経メディカルの記事を読みました。
日本精神科病院協会が、症状の著しく進行したアルツハイマー病に対する抗認知症薬の使用方法を示すアルゴリズムを取りまとめ、それは国内で初めて抗認知症薬の減量・中止の方法を示すもの、とのこと。
このアルゴリズムは、重度の認知機能障害のほか、摂食・嚥下困難、言語的疎通困難、寝たきり状態など「認知症が著しく進行した段階」のアルツハイマー病を対象とするそうですが、
私は、正直、えっ?そのような人にもまだ抗認知症薬を服用させてたの?と思って読んでしまいました。
と、そこに、時々読ませていただいている「寮隆吉先生」のブログに心をグッとつかまれました。
私の好きな、寮先生の「嗚呼!」から始まります。
「嗚呼!もっと認知症専門医、特に精神科医は患者をよく診察して、認知症患者のためになる医療を作り上げる義務があると思う。 患者に抗認知症薬の副作用について説明しているのだろうか。」
そうです、ついこの間お話ししたお客様も、90歳近いのに4年も抗認知症薬を2種類最大量服用していて食欲不振を伝えたら栄養剤を出されるも、副作用の説明なんてひとつもされていないと言っていました。
私の友人のお母様も食べられなくなり10キロ痩せても医師からは副作用については説明されていません。
(その後服用をやめると、食欲はもどり体重も増えたそうです)
そして寮先生のブログはこう続きます。
「重度の患者は理解できない。理解できない患者に医師の裁量で副作用のある薬を投与し続けることは倫理的に許されるのであろうか。副作用について彼ら(認知症専門医)は十分理解していない。患者に寄り添っているのであろうか。彼らの仕事は何であろう。」
「抗認知症薬が効く効くと囃し立てて、抗認知症薬の副作用についてほとんど触れないで使用を勧め、一兆円以上売り上げ、今でも年間1000億以上を売り上げている異様な状況を招いた認知症専門医は、癌に無効なサプリを癌に有効と言って数億円を売った人たちと同様に刑事訴追の対象になっていいと思うのだが。そうでもしなければ彼らは自分のしてきたことの犯罪性を自覚できない。嗚呼!」
寮先生の文章は過激でドキドキしてしまいますが、私もそう思わずにはいられない医師や場面のお話しをお客様からお聞きすることが多々あり、そのたびに同じように「医師の仕事はなんだろう」と思ってしまうので、このブログを紹介させていただきました。
さて、最後は気分を変えて。
朝のウォーキングは、最近の札幌の熊のニュースで、私も時々「熊がでたらどうしよう」と頭によぎります。
何年もいつも同じ場所でお会いしていた方のルートが事情で変わったため、めったにお会いできなくなりました。
その方も、私の姿が見えないと心配してくださるので、もともと数分違えばすれ違わないのですが、なんだか淋しくなり週3回くらいラジオ体操に出ることにして、今はその方の隣で体操をしています。
時々お菓子などを2つ3つ頂戴するのですが、その中に小さな手紙が入っていて私は嬉しいのです。
朝の笑顔とあいさつは元気がでます。
「公益社団法人 認知症の人と家族の会」推薦、映画「ぼけますから、よろしくお願いします。」を見てきました。
映画館に着くと、長蛇の列ができていてびっくりしました。
1日だけの3回上映で、聞けば、1回目に入りきれなかった人が2回目にも並んでいるとのこと。
急遽地下の上映場も使うことになったそうで、それでも全員入れるかわからないとのことでしたが、なんとか入ることができました。
映画は、ひとり娘の信友直子監督がご自身のご両親を撮影されたドキュメンタリーです。
家事ができなくなった認知症のお母様と腰が曲がって耳の遠い90歳を超えたお父様の初めての家事。
パンフレットには、「広島県呉市。泣きながら撮った1200日の記録」とあります。
とても優しい、いい映画でした。
せつなく、悲しく、でも暖かく、何度も涙しました。
上映後の信友監督のトークでは、母が認知症にならなかったら、父とはこんなに話しをすることはなかったし、父と母が、こんなにお互いを思い合っている姿も見ることはなかったかもしれない、母が認知症になって悪いことばかりではなかった、とおっしゃられていました。
私も、この仕事を通して、親を想う気持ち、夫を想う気持ち、妻を想う気持ちに時おり触れながら、あたたかな優しい気持ちになるのです。
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