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2023年8月29日(火)
北海道も毎日暑い日が続き、札幌も猛暑日が3日あり、初めてエアコンをつけたまま寝ました。
そんな猛暑日の8月26日、「私は生きる、自分の意思で、自分らしく」~今、わたしたちができること、やすらかな最期を迎えるために~ という「日本尊厳死協会北海道支部講演会」に行ってきました。
江別すずらん病院 認知症疾患医療センター長の宮本礼子医師の講演「やすらかな最期を迎えるために」はとても考えさせられるものでした。
日本尊厳死協会は、「人生の最終段階においては延命措置を望まず、やすらかな最期を希望する意思」を書面で表明するリビング・ウイル(人生の最終段階における事前指示書)の普及啓発活動を行っています。
「リビング・ウイル」には、死がせまって意識のない状態が長く続いた場合は死期を延ばすためだけの医療措置は希望しないこと、ただし、心やからだの苦痛をともなう場合の緩和ケアは医療用麻薬などの使用を含めて充分に行ってください、というようなことが書かれています。
通常、病院では死期がせまった患者でも、1日でも多く生かそうとします。
また、そう願うご家族も多くいます。
そのような患者を多く看取ってきた宮本医師は、胃瘻や鼻腔栄養、点滴栄養は確かに死期を先延ばしにするけれど、患者は痰の吸引でもがき、皮膚だけではなく内臓のやむくみなど、様々な苦痛を患者に与えるといいます。
それは、尊厳のある死ということ、人間らしく死にたいという思いに沿った措置なのでしょうか、と問いかけます。
それらの延命措置をしない場合、食べられなくても空腹を感じず、水を飲めなくても苦しまず、とてもおだやかに、やすらかに亡くなるといいますが、例え本人がそう望んでいたとしても、意思を伝えられなくなってからでは、その判断はご家族に委ねられます。
ご家族はたいてい、このまま何もしないことは餓死させるような気がしてできず、なんらかの措置を望みます。
そこで、判断能力があるうちから「リビング・ウイル」で意思を示しておき、ご家族とも話し合っておきましょう、ということです。
ただ、この「リビング・ウイル」は日本ではまだ法制化されておらず、受け入れてくれる病院と受け入れてはくれない病院があります。
欧米諸国や、最近では台湾、韓国までも、そのような意思表示を事前にしていれば、それは認めますと法制化されているようですが、日本で法制化されない理由には、いろいろ大人の事情があるようです。
さて、自分自身は延命措置を望みませんが、自分の親がいざその状態になった時、わかっていても「このまま何もしないでください」と言えるかどうか、、
このような延命措置の患者の負担を理解していない人は「なんて冷たい娘なんだ」と思う人もいるでしょう。
いずれにしても、高齢化社会の終末期医療について、ご自身の意思を伝えておくことも必要のような気がします。
関心のある方は、こちらのサイトをご覧ください。
公益財団法人 日本尊厳死協会 https://songenshi-kyokai.or.jp/living-will
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