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2022年10月19日(水)
認知症や介護をテーマにした映画が多くあります。
これまでもたくさん観てきましたが、最近で言いますと若年性認知症の母親役が原田美枝子さん、その息子役が菅田将暉さんの「百花」も鑑賞してきました。
少し私が想像していたものとは違いました。
また、先週は「ケアニン~あなたでよかった~」を観たのですが、とても良い映画でした。
「ケアニン」とは介護、看護、医療、リハビリなど、人の「ケア」に関わり、自らの仕事に誇りと愛情、情熱を持って働いているすべての人のことをいうそうです。
新人の介護福祉士の男性が小規模介護施設で認知症の入所者さんたちと向き合う心温まるストーリーとなっています。
介護に関わる全ての人に観ていただきたいような素晴らしい介護施設で、介護する側の視線で描かれています。
一方「ファーザー」という同じく認知症をテーマにした映画がありますが、こちらは認知症の人の視点から描かれた映画です。
この映画は昨年、 第93回アカデミー賞で主演男優賞(アンソニー・ホプキンス)と脚色賞の二部門を受賞しています。
一人暮らしの認知症の父アンソニーの家へ娘アンがお世話に通うところから始まります。
何の情報も入れずに見始めた私は、最初何度も「ん?」「ん?」とわからなくなります。
新しい恋人と暮らすためにパリへ行くと娘アンは父に告げますが、次の場面ではアンと夫と父と三人でアンの家で一緒に暮らしています。
新しく来ることになった介護人の女性は、別の人になったりします。
このようにめまぐるしく場面が変わり、人も変わり、わけがわからないのですが、ああ、これは認知症の人の視点から描かれているのだとすぐに途中で気づきます。
自分の家なのか娘の家なのか、見知らぬ人が家にいて、いつも物がなくなります。
私は、認知症の人が見る世界を疑似体験して、こんな状態なら常に混同し不安でいっぱいになってしまう、こんな状態だったのだ!と胸が締め付けられる思いでした。
映画の中では、介護人の女性が、「青くて小さいお薬を飲みましょう」と優しく言うのに対して、知的な自分に対してその言い方は馬鹿にしているのか!!と怒り出したり、娘アンが「早く施設に入れろ」という夫と父の板挟みで悩んだりと、認知症家族を取り巻くいろいろも描かれています。
そして、認知症の父役のアンソニー・ホプキンスの演技が、本当に素晴らしかったです。
認知症の人の気持ちがリアルに理解できたような気がしました。
映画を通して勉強になることが多くありますのでお勧めです。
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